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原爆資料館「核の地球儀」にイスラエルの保有追加

■記者 森田裕美

 原爆資料館(広島市中区)は、核兵器を持つ国とその核弾頭数を示す「核の地球儀」から北朝鮮を外し、初めてイスラエルを表示した。出典であるストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の資料に「忠実に従った」と説明している。

 SIPRIは毎年、1月時点の各国の核弾頭数を公表。最新の2008年版では、2006年10月の核実験を受け2007年版で保有国とした北朝鮮を「武器化を確かめる公開情報がない」と除外した。

 資料館は原則としてSIPRIの見解に基づいて情報を更新してきた。今回は北朝鮮を地球儀の表示から外し、理由を説明パネルに記した。

 一方で資料館は、イスラエルについて「政府が公式に認めていない」「専門家の間でも意見が一致していない」などを理由に、独自判断で地球儀に表示してこなかった。SIPRIの公表データとは異なるため、説明パネルを使って「専門家の多くは保有国とみなしている」などと補足の記述をしてきた。

 しかし、北朝鮮を地球儀から外したことで資料館は「整合性を考慮する必要がある」としてイスラエルを初めて地球儀に表示した。今後は出典であるSIPRIの見解に忠実に従うという。

 今回の方針変更で地球儀上の核保有国は米国、ロシア、英国、フランス、中国、インド、パキスタン、イスラエルの8カ国となった。

(2009年5月8日朝刊掲載)

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