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患者らの被爆体験 活字に 「ピカに灼かれてPartⅡ」通算15冊目 広島医療生協

 広島医療生活協同組合(広島市安佐南区)が、被爆証言集「ピカに灼(や)かれてPartⅡ」を完成させた。2006年から発行しており通算15冊目。同生協が運営する広島共立病院の患者や組合員たち15人分を収めた。

 「アスファルトに寝かされた人たちがうめき地獄のようだった」(93歳女性)「(戦後)子どもがきちんと生まれてくるか気が気でなかった」(91歳女性)。高齢化で執筆が難しくなった被爆者に代わり、勤続2年目の看護師や介護支援専門員ら37人がグループに分かれて証言を聞き取り、執筆。自分たちの感想も書き添えた。

 看護師の稗田あやさん(31)は「娘にも語っていない」という女性の証言を涙ながらに聞いた。「本人の思いを十分に活字に表せたのか、自問している。被爆者の家族史としても目を向けてほしい」と話す。A4判48ページで500部発行。1部300円。☎082(879)8124。(山本祐司)

(2021年3月8日朝刊掲載)

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