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核軍縮合意へ道筋探る NPT会議にらみ官民会合

 外務省は9日夜、8月に予定される核拡散防止条約(NPT)再検討会議をにらみ、核保有国と非保有国が合意できる核軍縮の道筋を探る官民会合をオンラインで開いた。広島、長崎を含む国内外の有識者が、再検討会議で議長を務めるスラウビネン氏(アルゼンチン)に意見を届けた。

 会合は非公開。外務省によると鷲尾英一郎外務副大臣が「核兵器のない世界の実現に向けて実質的な貢献を行うべく、わが国は尽力する」とあいさつした。国内外15人の有識者が順次、合意可能な核軍縮のアプローチなどについてスラウビネン氏や国連事務次長の中満泉・軍縮担当上級代表たちに持論を表明した。

 1月に発効した核兵器禁止条約を巡り、核保有国と非保有国の間で核兵器廃絶に向けた主張の違いが浮き彫りになる懸念もある。有識者からは「禁止条約を巡る立場の分断を埋める努力が必要」などの意見が出るなど、双方の対話を促進する重要性を確認した。

 官民会合は2017年11月に当時の岸田文雄外相(広島1区)が提唱してできた賢人会議の後継組織で、昨年3月の初開催に続き2回目。広島から広島平和文化センター(広島市中区)の小泉崇理事長が出席した。外務省軍備管理軍縮課は「出た意見をまとめた上で再検討会議に提言する方法などを検討したい」としている。(樋口浩二)

(2021年3月11日朝刊掲載)

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