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816人の遺族どこに 原爆供養塔 遺骨の名簿掲示

 広島市中区の平和記念公園にある原爆供養塔の納骨名簿の張り出しが16日、全国一斉に始まった。供養塔に納められている引き取り手のない原爆犠牲者の遺骨のうち、名前が判明している816人分。10月31日まで掲示し、遺族たちからの連絡を待つ。

 中区の広島バスセンターでは、社員が縦104センチ、横73センチの名簿を出発ホーム入り口に張り出した。名簿は五十音順で、住所や年齢、被爆当時の在籍校などの手掛かりも記してある。市内では、市役所や公民館など170カ所に掲示された。

 広島バスセンターで名簿を見た東区のコーヒー豆販売業登地勇さん(75)は「私の兄も原爆で行方不明のまま。68年たっても遺骨が家族の元に戻らないのは悲しいこと」と話した。

 市は名簿の全国発送を1985年から開始。ことしは自治体や被爆者団体など計1976団体に送り、掲示を依頼した。市によると、引き取り手は2010年4月の1人を最後に、見つかっていない。(石井雄一)

(2013年7月17日朝刊掲載)

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