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　２１日投開票の参院選について中国新聞社が実施した広島県内の電話世論調査で、参院選に「関心がある」と回答した人は６８・９％で７割に届かなかった。中でも若い世代の関心の低さが浮かび上がった。原発の再稼働には５３・４％が反対。戦争放棄や戦力の不保持を定めた憲法９条の改正では反対が賛成をわずかに上回った。一方、参院選で最も関心のある争点は「経済政策」が３割でトップ。改憲や原発問題は１割に届かなかった。



　原発の新規制基準が８日に施行され、県境から約６０キロ離れた四国電力伊方原発（愛媛県伊方町）を含む６原発が、再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請した。原発の再稼働について「反対」と「どちらかといえば反対」を合わせた反対派は計５３・４％と、半数を超えた。

　一方で「賛成」「どちらかといえば賛成」は計３９・２％。福島第１原発では放射性物質が高濃度で検出された汚染水の漏えいが疑われるなど、原発事故が収束とは程遠い状況の中、再稼働に慎重な姿勢が目立った。「分からない・無回答」は７・４％だった。

　支持政党別でみると、自民党支持層では賛成が５４・６％を占めたのに対し、公明党支持層では反対が６６・３％。政権与党の支持層間で再稼働に対する意識の違いがくっきりと浮かび上がった。

　野党は反対が多く、民主党と日本維新の会の支持層で７割に迫り、共産党や生活の党支持層では８割前後に達した。無党派層では５６・４％だった。

　男女別でみると、女性では反対が６２・６％と、賛成の２６・６％の２・４倍に。男性では賛成５３・１％、反対４３・１％と逆転した。地域別では、中国電力島根原発（松江市鹿島町）に近い県北部で反対が６割に迫った。



　安倍晋三首相が将来的な改正に意欲を示す憲法９条。自民党は改憲草案で、自衛権を明記し自衛隊を「国防軍」に改称することを打ち出す。戦争を放棄し、戦力を持たないと定める９条の改正の賛否は、反対が賛成を上回ったが、その差は４・０ポイントだった。

　「反対」と「どちらかといえば反対」を合わせた反対派は計４６・１％。「賛成」と「どちらかといえば賛成」を合わせた賛成派の４２・１％を上回った。

　女性は反対が４９・２％で、賛成の３４・７％より多い。男性は賛成が５０・１％を占め、反対の４２・５％を上回った。

　年代別では、２０代で反対が５７・９％で、賛成を２０・７ポイント上回った。４０代と５０代、７０歳以上も反対が多く、３０代と６０代は賛成が多かったが、賛否の差は１・２～５・９ポイントだった。地域別では、被爆地・広島市（佐伯区を除く）で反対が５０・１％に上った。

　支持政党別でみると、反対は民主党支持層で６３・３％、公明党支持層で５４・９％に達し、生活の党支持層の５９・４％、共産党支持層の８８・５％、無党派層の６０・１％も反対とした。

　一方、自民党支持層では５９・１％が賛成と回答。改憲に前向きな日本維新の会支持層で４４・２％、みんなの党支持層で６５・５％が賛成と答えた。自民党支持層では３１・３％が反対とし、改憲に慎重な勢力が一定程度いることも示された。



　参院選の争点として考えられる九つの政策課題を示し、最も関心のあるテーマを一つだけ選んでもらった。トップは「経済政策」で２９・５％。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の是非をめぐる与野党の論戦が熱を帯びる中で、関心の高さが浮かび上がった。

　次いで「年金や医療など社会保障」２０・６％、「消費税など税制」１０・１％と続く。「子育てや教育問題」（８・４％）を含め、日々の暮らしに深く関係するテーマで割合が高い。「憲法改正」は８・３％、「原発問題などエネルギー政策」は８・０％だった。

　男女別では、男性で「経済政策」が３６・９％を占めた一方、女性は「社会保障」が２３・８％で最多だった。職業別では自由業や管理職に加え、就職を控える学生で「経済政策」が４９・７～３７・２％に達した。

　商工自営業では「税制」が２６・５％、農林漁業では「環太平洋連携協定（ＴＰＰ）参加」が２１・０％でいずれも２位となった。

　年代別では、３０代で「子育て」が２６・８％と高く、他の世代から突出する。「社会保障」は５０代以上で３割前後に達し、年代が増すにつれて関心が高まる傾向を示す。

　支持政党別では、自民党支持層の４０・４％が「経済政策」を選んだのに対し、民主党支持層は３０・７％が「社会保障」を選択。憲法改正は「護憲」を掲げる社民党支持層で３５・０％、改憲に反対する共産党支持層で２７・４％と目立った。各党が重点的に訴えるテーマを反映したといえる。

（２０１３年７月１８日朝刊掲載）