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「桜隊」俳優生涯 8・6朗読劇 元宝塚スターの園井恵子さん

 移動演劇「桜隊」の一員として広島で原爆の犠牲になった元タカラジェンヌ園井恵子さんの生涯を伝える朗読劇の初公演が8月6日、広島市中区紙屋町のヒューモホールである。宝塚歌劇団の後輩の俳優春風ひとみさん(52)が一人で読み上げる。再び舞台に立つことがかなわなかった園井さんの無念を通じ、原爆の悲惨さを訴える。(新本恭子)

 タイトルは「私は芝居がしたいの! 原爆に散った元タカラジェンヌ園井恵子」。園井さんは宝塚で男役のスター。1942年に退団後、新劇や映画で活躍した。45年8月6日、園井さんは桜隊のメンバーとともに巡業先の広島で被爆。半月後、神戸市で亡くなった。32歳だった。

 約50分の朗読劇は、演劇にあこがれた少女時代や、看板俳優に上り詰めた宝塚時代などを経て被爆。芝居への思いを残して亡くなるまでの生涯を描く。

 台本は、宝塚取材の経験が長いイベントプロデューサー宮田達夫さん(76)=兵庫県西宮市=が書き下ろした。台本を読んだ春風さんが出演と広島での初演を熱望。準備に奔走して実現にこぎ着けた。

 春風さんは79年、宝塚に入団し、月組で娘役として活躍。88年に退団後は舞台などで活動する。「戦争が終わり芝居に打ち込めるはずだった。園井さんの一生を通して平和の尊さを伝えたい。来年以降も広島で公演したい」と話す。

 上演は午後1時半、同4時半開演の2回で、入場料2500円。広島平和祈念事業推進委員会Tel082(504)5080。

(2013年7月19日朝刊掲載)

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