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英、核弾頭上限増の方針 広島市長が遺憾伝達へ

 英国政府が核弾頭保有数の上限を180発から260発に引き上げる方針を表明したのを受け、広島市の松井一実市長は26日、5月中にも東京の在日英国大使館を訪問し、遺憾の意を伝える意向を示した。記者会見で「どれだけヒロシマの心を踏みにじることになるかを伝えたい」と述べた。

 東京五輪・パラリンピックで来日する核兵器保有国の首脳に被爆地への来訪を促すため、各国の大使館に出向く機会を利用する。英国の表明2日後の18日に出した「核拡散防止条約(NPT)締結国による上限引き上げ方針は、核廃絶の潮流に逆行し、社会の信頼を大きく損なう」とのコメントの内容を伝えるという。

 英国の方針については「人間の理性の流れをぶち壊すような発想。積み上げた努力や社会の信頼を損なう」と批判した。自身が会長を務める平和首長会議は英国にも加盟都市があるとして、核軍縮に向けて「英国内でしっかりと働き掛けをしてもらえる環境づくりをしたい」と述べた。

(2021年3月27日朝刊掲載)

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