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未完の「ゲン」原画公開 原爆資料館 連載40周年記念

 昨年12月に73歳で亡くなった漫画家中沢啓治さん(広島市中区出身)の代表作「はだしのゲン」の連載が始まって40周年を記念した原画展が19日、中区の原爆資料館で始まった。未完となった第2部の下書き16ページ分などが初めて公開された。9月1日まで。

 原爆投下後の広島を生きる少年を描いた「はだしのゲン」や、絵本版の原画など計約65点を展示している。第2部の下書きはB4判の紙に鉛筆で描かれ、第1話全32ページのうち後半部分。絵の修業で上京したゲンが東京大空襲で両親を亡くした少年と出会い、「おまえも戦争でつらい思いをしていたんじゃのう」と慰める場面がある。

 中沢さんの自伝「『はだしのゲン』自伝」の鉛筆で描かれた挿絵7点も初公開された。第2部の下書きと挿絵は、妻ミサヨさん(70)が遺品の中から見つけ、ことし4月、同資料館に寄贈した。

 原画展に招かれたミサヨさんは「つらい状況でもくじけてはいけないという、ゲンのメッセージを子どもたちに感じてほしい」と話していた。(折口慎一郎)

(2013年7月19日夕刊掲載)

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