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被爆調査票や報告書 初展示 原医研が60年記念展

 広島大原爆放射線医科学研究所の設立60年を記念する所蔵資料展が、同大医学部医学資料館(広島市南区)で開かれている。被爆から間もない1945年9月以降、広島で被爆者の健康調査に取り組んだ京都大調査班の活動記録など、初公開の資料を中心に約60点を展示している。4月16日まで。

 京都大の関連資料は、個別の調査票や報告書など、原本を含む約20点が並ぶ。調査票には性別、年齢、発熱や脱毛などの症状の有無に加え、被爆時の服装や被爆後の行動まで細やかに書き込まれている。

 一度は米軍に接収され、73年に返還された資料のうち、元安橋や広島城など被爆前後の広島市街地の建物を捉えた写真も紹介。原医研付属被ばく資料調査解析部の久保田明子助教は「身近な建物や市民の被害状況が伝わる資料を選んだ」と話す。原医研の歩みを紹介するパネルもある。

 入場無料。平日午前10時~午後4時。事前予約が必要。資料調査解析部☎082(257)5877。(田中美千子)

(2021年3月31日朝刊掲載)

[ずばり聞かせて] 設立60年 今後の展望は 広島大原爆放射線医科学研究所 田代聡所長

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