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バウムクーヘン「起源の地」 似島の歴史 絵本に 出身4女性が制作

 似島(広島市南区)出身の女性4人が、国内で初めてバウムクーヘンが焼かれた地とされる同島の歴史を描いた絵本「バウムクーヘンとあっくんの旅」を制作した。似島公民館が企画して750部を刷り、今後、市内の図書館や公民館、小学校に配る。

 バウムクーヘンは1919年3月、似島の捕虜収容所にいたドイツ人菓子職人のカール・ユーハイムが焼き、原爆ドームの前身、県物産陳列館で販売されたのが国内の起源とされる。絵本はA4判変型、48ページ。本の世界に入り込んだ主人公あっくんがユーハイムと島で出会い、一緒にバウムクーヘンを作るストーリー。巻末では実際の作り方なども紹介している。

 本を手掛けたのは、西区の会社員阿形友望さん(25)▽南区の会社員向江あゆみさん(25)▽同区の公務員谷口理穂さん(25)▽竹原市の会社員今井夏姫さん(25)―の同級生4人。似島小時代、同公民館発行の新聞作りを担当し、2019年3月に公民館であった行事に4人で参加したことが縁で今回の絵本作りが決まったという。

 3月末に同公民館で完成披露会があり、谷口さんを除く3人が出席した。「小さい子に親しみやすいよう難しい言葉を避け、絵には淡い色を使った」と阿形さん。向江さんと今井さんは「島の歴史や平和の大切さを知ってほしい」と話していた。(城戸昭夫)

(2021年4月7日朝刊掲載)

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