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被爆後の復興 文集に 「語り継ぐ教師の会」 来春出版へ準備

 被爆した県内の元教諭たちでつくる「ひろしまを語り継ぐ教師の会」(松島圭次郎会長、67人)が、戦後の復興に携わった体験などの証言集を来春出版する準備を進めている。

 2001年に結成した同会は、09年に被爆体験集「語りびと」を発行したが、11年の東日本大震災以降、災害復興への関心が高まったことなどから、被爆後の生活や学校での体験も広く知ってもらおうと企画した。

 21日に広島市内で開いた例会には80歳代を中心に14人が出席。「校舎が焼け、青空教室で教えた」「ケロイドが残ったまま定年まで教壇に立ち続けた同僚女教師がいた」「教え子の孤児に衣類を調達する苦労があった」など原稿化できそうな体験談を出し合った。

 同会事務局の梶矢文昭さん(74)=安佐南区=は「被爆そのものの体験集は多いが、戦前も含めた当時の様子や復興の記録は貴重。会員が次々亡くなる中、庶民の立場から次代に伝える使命を感じる」と話している。(田中伸武)

(2013年7月23日朝刊掲載)

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