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核禁条約 5人賛同 批准は対応分かれる 被爆地の若者 候補者アンケート

 参院広島選挙区の再選挙で、被爆地の若者たちでつくる「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)が、候補者6人に核政策に関するアンケートをし、結果をまとめた。全員から回答があり、今年1月に発効した核兵器禁止条約には5人が賛同した。日本政府による条約批准については考え方が分かれた。(宮野史康)

 アンケートは、カクワカ広島のメンバーが今月1~9日、電子メール、電話、対面で実施した。「核兵器の廃絶を目指すべきだ」との姿勢は、全員が表明したという。

 その上で、核兵器禁止条約に5人が賛同した。諸派新人の宮口治子氏(45)=立憲民主、国民民主、社民推薦▽無所属新人の佐藤周一氏(45)▽無所属新人の大山宏氏(72)▽無所属新人の玉田憲勲氏(63)▽自民党新人の西田英範氏(39)=公明推薦。NHK受信料を支払わない方法を教える党新人の山本貴平氏(46)は、賛否を「分からない」と答えた。

 条約は核兵器の非保有国が制定を主導し、50カ国以上が批准した一方、米ロをはじめ核保有9カ国は批准していない。米国の差し出す「核の傘」の下にある日本政府も、現時点で後ろ向きな姿勢を示している。

 「条約に日本が署名、批准すべきだと思うか」との問いには、宮口氏、佐藤氏、大山氏、玉田氏の4人が「思う」と答えた。一方、西田氏と山本氏は「思わない」と回答した。

 宮口氏は禁止条約を日本が批准、署名する上での障壁を日米安保条約と指摘。「多くの核兵器を持っている国もある。バランスを考え、段階的になくしていくのが良い。被爆者の思いを継承するのが重要だ。数十年かけて徐々に世界は変わるのではないか」とした。

 西田氏は「条約には核保有国や核兵器の脅威にさらされている周辺国が加わっておらず、実効的な枠組みが形成できていない」と分析。保有国と非保有国の橋渡しが日本の役割として「各国が納得して核兵器廃絶を合意できる枠組みをつくるべきだ」とした。

 カクワカ広島の田中美穂共同代表(26)は「禁止条約に賛同しているなら、日本が署名、批准に至るプロセスも考えてほしい。議員になった時にはまた聞きたい」と話している。

 全ての回答はカクワカ広島のフェイスブックで公開している。https://www.facebook.com/kakuwakahiroshima/

(2021年4月16日朝刊掲載)

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