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収容所アート 日系人子孫感激 広島県立美術館で見学

 太平洋戦争の開戦により、米国で強制収容された広島市出身の日系人の子孫たちが23日、中区の広島県立美術館を訪れた。日系人が厳しい収容所生活の中で作った芸術作品を集めた特別展「尊厳の芸術展」を見学した。

 現在の安佐北区からカリフォルニア州に渡り、1972年に83歳で亡くなったシゲオ・ナイトウさんの娘や孫、ひ孫たち43人が国内外から集まり来館。木彫りのだるまやライオンなど、シゲオさんの5点に見入った。

 シゲオさんは戦時中の約3年間、アリゾナ州の収容所で生活。工具が少ないため、紙やすりの代わりに割れたガラスの粉で磨いて、木彫りの作品を仕上げていたという。

 シゲオさんの作品が展示されていることを知った親族が美術館の訪問を計画した。収容所で一緒に暮らした娘のセツコ・キムラさん(85)=同州=は「孫たちと一緒に、広島で父の作品を見られるなんて」と感激していた。

 特別展は20日に開幕。米国各地の収容所で生活した日系米国人約60人の家具や絵画など約100点を展示している。(衣川圭)

(2013年7月24日朝刊掲載)

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