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五輪中止でも原爆展 広島市長表明 感染状況で判断

 広島市の松井一実市長は22日の記者会見で、東京五輪・パラリンピックに合わせて首都圏3カ所で7~9月に開く予定の原爆展について、仮に五輪が中止された場合でも開催を目指す考えを示した。「核兵器禁止条約が発効した年に首都圏で開く意義はある」とした上で、新型コロナウイルスの感染状況や開催地の自治体の意向を踏まえて可否を判断すると説明した。

 原爆展は当初、被爆75年の2020年7月中旬~9月上旬、東京都文京区、千代田区、埼玉県飯能市で開く予定だった。五輪・パラを核兵器廃絶への機運を高める好機とする狙いだったが、新型コロナ禍で延期されたため、共催する長崎市とともに原爆展を今年の同時期に延期している。

 松井市長は原爆展の開催について「動機付けは五輪だった」とした上で、今年1月の核兵器禁止条約の発効を踏まえて「とりわけ若い世代に被爆の実態を伝えることは意義がある」と強調。五輪と原爆展を関連させる必要はないとの認識を示した。新型コロナ対策などで開催地の自治体が難しいと判断しない限り、着実に準備を進めるとした。

 記者会見では、中央公園広場(中区)で建設を計画するサッカースタジアムについても説明した。設計建設を担う事業者に事実上選んだ共同企業体(JV)が24年2月の開業を目指している点について「サッカー関係者からも歓迎される目標設定。いいことだと受け止めている」と述べた。(久保田剛)

(2021年4月23日朝刊掲載)

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