×

ニュース

時代を映す学校建築 岡山で企画展 明治-昭和の歩みたどる 地域との関わりも焦点

 明治から昭和期にかけての岡山市の小学校建築をテーマにした企画展「岡山の学校建築のあゆみ」が、岡山市北区の岡山シティミュージアムで開かれている。図面や文書、写真など初公開資料を含む約70点を展示。校舎の構造や装飾の変遷をはじめ、学校建設と地域の関わりなどにも焦点を当てている。(伊東雅之)

 いずれも市立中央図書館が所蔵する1876(明治9)~1953(昭和28)年の資料。市中心部にあった晩翠(ばんすい)小の明治初期の図面には、四方に配置された教室棟の中心に職員室や事務室が描かれ、教職員が各教室を見渡しやすい造りになっている。教室も「裁縫所」など当時の呼び名で記されている。帳簿類からは、地域住民がそれぞれの資産に応じて建設費を出し合っていたことが分かる。

 就学率の上昇や義務教育期間の延長で大正期には、増築に関する資料も見られる。尋常科に高等科を併設した旧白石小の文書には増築校舎の緻密な設計図が添えられている。

 昭和期に入ると、多くの子どもを収容できる講堂や、鉄筋コンクリート造りの校舎が増える。29(昭和4)年に作成された旧藤田小講堂の設計図には、屋上のドームや華やかなブロックを使ったポーチが描かれており、装飾も豊かになっている。

 ほかにも、資材確保の苦労がうかがえる戦時下の文書や、戦火で焼失した校舎の再建に立ち上がった学校関係者や地域住民の運動をつづった記録もある。

 同ミュージアムの飯島章仁館長補佐は「住民が地域の学校を物心両面から支えていた様子など、現在との違いも感じ取ってもらえるのではないか」と話している。

 20日まで(月曜と6日は休館)。午前10時~午後6時。一般310円、高校・大学生210円。同ミュージアム☎086(898)3000。

(2021年5月5日朝刊掲載)

年別アーカイブ