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　広島県の「国際平和拠点ひろしま構想」の一環で、被爆地から平和のメッセージを発信する「ピース・アーチ・ひろしま」の集大成となるイベントが２７日、広島市で始まる。ワールド・ピース・コンサート、国際平和のための世界経済人会議、ピース・フィールドで多彩に展開する。

　
　８月５日まで中区の広島グリーンアリーナなどで九つのコンサートが続き、国内外のアーティスト３５人・１６団体が参加する。

　メーンとなる３日のエターナルピースコンサートには米音楽界の重鎮クインシー・ジョーンズさん（８０）が、グラミー賞歌手２人と共に出演。１９８５年に手掛けたチャリティーソング「ウィー・アー・ザ・ワールド」を歌う予定だ。

　２日のメモリアルリーディングコンサートでは、坂本龍一さん（６１）のピアノ演奏に合わせ、俳優の吉永小百合さん（６８）が原爆詩を朗読する。

　７月３０日のクラシックの夕べでは、アジア人のトップ演奏家で毎夏編成されるアジア・フィルハーモニー管弦楽団が出演。安佐南区出身のピアニスト萩原麻未さん（２６）は３１日、原爆ドーム近くで被爆ピアノを奏でる。

　
　国内外の経済界のトップが参加して３０、３１の両日、中区の広島国際会議場である。テーマは「新しい平和貢献のあり方」。１月の世界経済フォーラム年次総会（ダボス会議）で共同議長を務めた東芝の西田厚聡会長たち６人が講演。パネル討論やセミナーもある。

　
　貧困や紛争について考えてもらうため、２７日に中区のハノーバー庭園などで開幕。８月３日まで非政府組織（ＮＧＯ）など６３団体がブースを設け、貧困や紛争、環境問題への取り組みを紹介する。世界の郷土料理を楽しめるコーナーや音楽イベントも。中国新聞社もブースを設ける。

　ピース・アーチ・ひろしまは、広島県や県内の企業などでつくる実行委員会の主催。２０１１年度に始まり、本年度までの事業費は計９億８１００万円。協賛金や事業収入で、本年度末で１億７４００万円の収益を見込む。収益は国連などで活動できる人材の育成や、核兵器廃絶のための研究費、大規模災害時の人道支援費に充てる。実行委Ｔｅｌ０８２（２２７）６２３４＝平日午前９時～午後５時。（新本恭子）

≪ワールド・ピース・コンサートの日程と主な出演者≫

開始時間
コンサート名と場所
主な出演者

７月２７日午後５時
オープニングコンサート（上野学園ホール）
中丸三千繪、島谷ひとみ、クリスタル・ケイ、ピーター・セテラ

２９日午後７時
クラシックの夕べ第１部（同）
スタニスラフ・ブーニン、天満敦子、秋川雅史、佐藤しのぶ

３０日午後７時
クラシックの夕べ第２部（同）
アジア・フィルハーモニー管弦楽団、萩原麻未

３１日午後６時半
クラシックレクイエムコンサート（元安川親水テラス）★
萩原麻未、小林美恵

８月１日午後６時半
クラシックレクイエムコンサート（元安川親水テラス）★
横山幸雄、田野倉雅秋

２日午後７時
メモリアルリーディングコンサート（広島グリーンアリーナ）
坂本龍一、吉永小百合、石井竜也、元ちとせ、由紀さおり、安田祥子

３日午後５時
エターナルピースコンサート（同）
クインシー・ジョーンズ、パティ・オースティン、ジェームス・イングラム、ＫＡＲＡ、安全地帯、柴咲コウ、清水翔太

４日午後２時
子どもピース音楽祭（上野学園ホール）
広島ジュニアコーラスなど県内の１０合唱団・オーケストラ

５日午後６時４５分
平和の夕べコンサート（広島国際会議場）
小曽根真、フランシスコ・フローレス、広島交響楽団

※場所は全て広島市中区で、★は無料

（２０１３年７月２６日朝刊掲載）