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原爆ドームが元の姿に 2カ月半ぶり 調査の足場撤去

 広島市は25日、詳しい耐震調査のため世界遺産の原爆ドーム(中区)を囲っていた足場を撤去した。8月6日の「原爆の日」が近づく中、ドームは約2カ月半ぶりに元の姿を取り戻した。

 最高気温が35度を超す炎天下、作業員7人は足場を組んでいた資材を次々と取り外し、敷地内に積み上げた。26日に運び出す。

 市はドームのれんが壁から円柱状の試料を抜き取るため、5月13日から足場を組んだ。当初は15本の予定だった試料数は、その後に形状が異なる壁からも2本を追加した。

 試料は、大阪府吹田市の試験所で強度を分析中。市はデータを基に、本格的な耐震補強工事が必要かどうか、本年度内に判断する。試料を抜き取った跡は、れんがとモルタルで埋め戻した。

 三重県桑名市から家族で訪れていた主婦各務(かかむ)葉子さん(44)は「なるべく自然の姿のままのドームで、原爆のすさまじさを伝え続けてほしい」と話していた。(加納亜弥)

(2013年7月26日朝刊掲載)

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