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2年ぶり被爆地開催へ 原水禁国民会議など世界大会 核禁条約発効年 発信に力

 原水禁国民会議などが毎年8月に開く原水爆禁止世界大会について、今夏は2年ぶりに被爆地の広島、長崎両市で現地開催する方向であることが12日、分かった。核兵器禁止条約の今年1月発効をてこに、「核なき世界」を目指す姿勢を改めて打ち出す考えだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、昨年は初めてオンライン開催とした。原水禁によると今夏の大会は、数千人が集ったコロナ禍以前の2019年大会に比べて規模を縮小。広島市(8月5、6日)は500人、長崎市(同8、9日)は400人を上限に、ホールなどで開く計画でいる。

 福島第1原発事故から10年を迎えた福島県でも7、8月の数日間催すという。

 広島、長崎の大会では被爆者の体験を聞く。「核兵器廃絶への歴史的一歩」とする核兵器禁止条約の発効を受け、日本を含む非保有国が果たす役割を探る。海外の関係者は、核兵器廃絶と脱原発をテーマにした二つの国際シンポジウムにオンラインで出席。インターネット配信も予定する。

 原水禁によると昨夏の大会後、原爆の日に両被爆地で核廃絶の思いを深めたいとの声が参加者の間に高まったという。「被爆者の願いを肌で感じることが運動の原動力となる」と北村智之事務局長。新型コロナが急拡大した場合はオンライン開催とする余地も残す。

 同時期に原水爆禁止世界大会を開いている日本原水協などは、昨年と同じく完全オンラインで開く方向という。(樋口浩二)

(2021年5月13日朝刊掲載)

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