被爆ピアノずらり 平和学ぶ新拠点に 安佐南に矢川さん 資料館7月開館
21年5月14日
調律師の矢川光則さん(69)=広島市安佐南区=が7月、伴地区の自宅に併設する工房の敷地内に「被爆ピアノ資料館」を開く。原爆や空襲の惨禍を乗り越えたピアノを通し、地元の小中学生と修学旅行生たちに、平和学習の場を提供する。
建設を進めているのは、約86平方メートルの木造平屋。舟入川口町(現中区)の民家で被爆したアップライトピアノや、三篠国民学校(現三篠小)で保管されていたとみられるグランドピアノなど10台を並べる。爆風で砕け、ピアノに刺さったガラス片のほか、当時の楽譜やメトロノームも展示する。
被爆2世の矢川さんは20年ほど前から、爆心地3キロ圏にあったピアノを修復し、全国に出向いて平和コンサートを開いてきた。2017年にはノルウェー・オスロで開かれたノーベル平和賞の記念イベントに協力した。しかし最近、年齢とともに体力が心配になっており、被爆ピアノを知ってもらう活動の場として資料館の開設を思い立ったという。
演奏会や講座が開けるスペースも併設し、一部のピアノは、弾いたり触ったりできるようにする。「実際に被爆ピアノに触れ、音を聞くことで、子どもたちが平和の大切さを体感できる」と矢川さん。総事業費は約1200万円を予定し、協賛金も募っている。矢川ピアノ工房☎082(848)9533。(桑島美帆)
(2021年5月14日朝刊掲載)
建設を進めているのは、約86平方メートルの木造平屋。舟入川口町(現中区)の民家で被爆したアップライトピアノや、三篠国民学校(現三篠小)で保管されていたとみられるグランドピアノなど10台を並べる。爆風で砕け、ピアノに刺さったガラス片のほか、当時の楽譜やメトロノームも展示する。
被爆2世の矢川さんは20年ほど前から、爆心地3キロ圏にあったピアノを修復し、全国に出向いて平和コンサートを開いてきた。2017年にはノルウェー・オスロで開かれたノーベル平和賞の記念イベントに協力した。しかし最近、年齢とともに体力が心配になっており、被爆ピアノを知ってもらう活動の場として資料館の開設を思い立ったという。
演奏会や講座が開けるスペースも併設し、一部のピアノは、弾いたり触ったりできるようにする。「実際に被爆ピアノに触れ、音を聞くことで、子どもたちが平和の大切さを体感できる」と矢川さん。総事業費は約1200万円を予定し、協賛金も募っている。矢川ピアノ工房☎082(848)9533。(桑島美帆)
(2021年5月14日朝刊掲載)