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中国電のCO2排出量、削減目標に届かず 08~12年度

 中国電力は26日、発電時の二酸化炭素(CO2)の排出量を減らす目標を達成できなかったと発表した。1990年度より20%減らす目標だった2008~12年度の低減率は、排出権の購入を反映させても平均13・4%にとどまった。

 12年度の排出量は販売電力量1キロワット時当たり0・738キロで、前年度より12・3%増えた。東日本大震災後に停止した島根原発(松江市)の代わりに火力発電を動かしたため急増した。

 08~12年度の平均は0・685キロで90年度より増えた。海外のCO2削減プロジェクトに参加して購入した排出権を使い、計算上の排出量を減らした値は0・532キロ。90年度は下回るものの低減率は13・4%にとどまる。

 中電は「震災以降の原発停止に伴う火力発電所の代替稼働で、CO2排出が大幅に増え目標に届かなかった」としている。中電の目標達成は、10年3月に発覚した島根原発(松江市)の点検不備問題に伴う長期停止で、既に排出権の購入に頼る状況となっていた。排出権の購入については「経営環境が厳しく、買い増すのは難しかった」と説明している。

 火力発電所での液化天然ガス(LNG)の利用拡大や効率アップで、引き続き排出削減に取り組む。(山瀬隆弘)

(2013年7月27日朝刊掲載)

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