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四国さんが愛した豊浜 広報誌表紙絵を冊子に

 広島県呉市の旧豊浜町の広報誌を飾っていた画家四国五郎さん(1924~2014年)の絵を、地元のまちづくり協議会が冊子にまとめた。昨年、豊浜市民センターで開催した作品展が好評だったため、より多くの人に届けようと企画した。

 反戦反核への思いを絵や詩で表現したことでも知られる四国さんは、恩師が豊浜町出身だった縁などで同町と関わり、1987~92年には広報誌の表紙絵を担当。港や峠など各地でスケッチを重ね、豊浜大橋が架かる前の島の風景や人々の暮らしを、柔らかな筆致の水彩画で表現した。

 冊子はB5判、40ページで、町が寄贈を受けた37点を掲載。絵と比較できるよう、モチーフと思われる場所の写真と解説も添えた。500部を作製し、同センターなどで配布しているほか、センターのホームページでも公開中。編集を担当した大下一弘さん(66)は「心のこもった絵を通じ、豊浜の良さを再発見してほしい」と話している。(仁科裕成)

(2021年5月17日朝刊掲載)

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