×

ニュース

広島に聖火 無観客式典 平和公園 86人が「トーチキス」

 東京五輪の聖火リレーが17日、広島県で2日間の日程で始まった。当初は12市町を巡る予定だったが、新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて公道でのリレーを中止。初日は平和記念公園(広島市中区)で無観客の点火セレモニーを開き、ランナー86人が火を引き継ぐ「トーチキス」を繰り広げた。

 1964年東京五輪の聖火リレーで最終走者を務めた三次市出身の故坂井義則さんの弟孝之さん(74)=東区=が、最初に火を受けてスタート。郷土ゆかりのスポーツ選手や中高生たちが四つのグループごとに、原爆資料館本館の北側から原爆慰霊碑前まで並んで火をつないだ。最終走者を務めた広島東洋カープ元選手の新井貴浩さん(44)が、原爆慰霊碑前から広島国際会議場内まで火を運び、聖火皿に点火した。

 続いて同会議場で式典があり、新井さんは「平和の象徴としての広島にたくさんの感謝の気持ちを込めて走った」と話した。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長の「式典への参加を望んでいたが困難な状況によりかなわなかった。しかしこの特別な行事の精神を通して皆さんとともにある」とのメッセージも紹介された。

 18日は、福山市総合体育館周辺で無観客の点火セレモニーがある。北京など3大会連続で五輪に出場した元陸上選手の為末大さん(43)が最終走者を務める予定。セレモニーの様子はインターネットでライブ中継される。(浜村満大、千葉教生)

(2021年5月18日朝刊掲載)

つないだ希望の火 家族に感謝 挑戦へ決意 聖火リレー県内スタート

聖火に非核の願い 被爆者の梶矢さん 姉ら慰霊 証言続ける

年別アーカイブ