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継承の形を模索 広島のテレビ局の8・6特番 「はだしのゲン」中沢さんらに焦点

中沢さんの遺志 脈々と

フクシマの「手帳」紹介

 原爆投下から68年となる8月6日、広島県内のテレビ各局は、特別番組や報道特集などで「継承」の在り方を探る。昨年末に亡くなった漫画「はだしのゲン」作者の中沢啓治さんに焦点を当てた企画が目立つ。(松本大典)

 中国放送は広島市中区での平和記念式典の中継後、午前10時から、中沢さんの73年の生涯を振り返る1時間番組を企画。作品の世界にとどまらず、自らも発言して反核平和を訴え続けた漫画家の足跡を、妻ミサヨさんらゆかりの人たちの証言と40年に及ぶ取材映像でたどる。

 広島ホームテレビは、「僕はまだまだ死にません~はだしのゲンが伝えるもの~」を制作。午前9時55分から放送する。講演活動に奔走した中沢さんの晩年の姿や幻となった「はだしのゲン第2部」の原画、遺志を継ごうとする人たちの活動を紹介する。

 広島テレビは、平和記念式典の様子を交えた午前8時からの生番組で、中沢さんの母校、中区の神崎小を訪問。平和教育を担う26歳の教諭の実践や児童の反応を聞く。原爆資料館の25歳の学芸員の思いや広島出身のピアニスト萩原麻未(26)の生演奏も届ける。

 テレビ新広島は午前9時50分からの「ヒバクシャと被曝(ひばく)者 繰り返される悲劇」で、ヒロシマとフクシマの今に目を向ける。広島の被爆者健康手帳と福島県浪江町の放射線健康管理手帳を紹介しながら住民の思いを描く。俳優の木村多江がナレーターを務める。

 NHK広島放送局は午後7時半からのNHKスペシャルで、「広島・長崎 終わりなき被爆との闘い」をおくる。被爆者に寄り添う両被爆地の医師に密着。「第2の白血病」と呼ばれる病気が深刻になるなど、68年たっても苦しみ続ける被爆者の実態に迫る。

(2013年7月27日朝刊掲載)

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