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深川宗俊の遺影登録 平和記念館 広島市出身の歌人

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は18日、広島市出身の歌人、深川宗俊(本名前畠雅俊、1921~2008年)の遺影を登録したと発表した。

 深川は1945年8月6日、三菱重工業広島機械製作所(現西区)で朝鮮人徴用工の指導員を務めており、ともに被爆した。翌7日には市内で2人の妹を捜し歩き、後に「死体見れば皆妹に見ゆるなりこの幻影は拭いがたくて」と詠んだ。

 戦後は詩人の峠三吉らと反戦詩歌運動を展開し、詩誌「われらの詩」を発刊した。日本で被爆した徴用工の追跡調査や訴訟にも取り組んだほか、在韓被爆者の救済にも尽くした。

 祈念館は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて休館中だが、被爆者の遺影登録を広く受け付けている。希望者には申込用紙を郵送している。祈念館☎082(543)6271。(明知隼二)

(2021年5月19日朝刊掲載)

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