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豪シドニー 初の原爆展 広島市、核廃絶機運を醸成

 広島市は21日から8月29日まで「ヒロシマ・ナガサキ原爆・平和展」をオーストラリア・シドニー市の国立海洋博物館で開く。長崎市、博物館との共催で、シドニー市での開催は初めて。広島と長崎の被爆資料などを通じて原爆の惨禍を伝え、核兵器廃絶への機運を高める。

 会場では、動員学徒の遺品のゲートルやブラウス、変形したガラス瓶など資料20点を展示する。爆風や熱線による被害、廃虚と化した広島市や長崎市の被爆直後の様子などを説明する写真パネル30点を並べるほか、広島の被爆者の証言ビデオも上映する。

 一般公開を前に20日、現地で開会式があり、原爆資料館(中区)の滝川卓男館長と、被爆者の梶本淑子さん(90)=西区=がオンラインで参加した。梶本さんは14歳で被爆した当時の様子を「地獄の光景」と証言し、核兵器廃絶を訴えた。

 広島市は1995年度から長崎市などと原爆展を始め、これまで19カ国53都市で延べ61回開いている。オーストラリアでの開催は、シドニー市で5都市目となる。(小林可奈)

(2021年5月21日朝刊掲載)

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