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パレスチナに平和を 原爆ドーム前で30人訴え

 イスラエル軍の空爆で多くの犠牲者が出たパレスチナの平和を訴えるアピール行動が21日、広島市中区の原爆ドーム前であった。衝突していたイスラエル政府とパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスは停戦に合意したが、「停戦でパレスチナの苦境は変わらない」と声を上げた。

 広島市立大(安佐南区)の田浪亜央江准教授(中東地域研究)の呼び掛けに応じた市内外の会社員や大学生、アラブ人たち約30人が参加。イスラエル建国で故郷を追われたアラブ人がパレスチナ難民となった1948年から73年となることを踏まえ、73分間「パレスチナに平和を」「人権」などと記したプラカードを掲げた。「パレスチナ、ガザに自由を」と英語のシュプレヒコールも繰り返した。

 田浪准教授は、イスラエルによる封鎖でガザ地区のパレスチナ人は食料や薬品を管理され、自由を奪われていると主張した。「パレスチナに本当の平和、公正がもたらされるよう国際社会に訴えていきたい」と力を込めた。

 参加したシリア出身のアブドゥーラ・バセムさん(53)=廿日市市=は「停戦でパレスチナの人の苦しみは終わらない。世界はもっと目を向けてほしい」と願った。(小林可奈)

(2021年5月22日朝刊掲載)

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