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被爆体験 語り継いで 広島市 証言・伝承者募る

 広島市は、自らの被爆体験を語る「被爆体験証言者」と、証言者の記憶や思いを受け継いで伝える「被爆体験伝承者」の研修生を募集している。高齢化する被爆者の負担軽減などのため、本年度から研修期間をそれぞれ1年間短縮し、1年と2年とした。無料。

 研修は証言者、伝承者ともに7月1日から始める予定。伝承者は原爆被害の実態や話法について学ぶ全8回の講義を原爆資料館(中区)で受ける。証言者は8回のうち被爆体験講話の聴講など一部が任意となる。

 その後、証言者は自らの体験、伝承者は「師弟関係」を結んだ証言者の記憶や思いを原稿にまとめ、表現方法を磨く実習をする。

 証言者は広島で原爆被害に遭った被爆者を対象とする。伝承者は5年以上活動する自信がある人となる。いずれも、年齢や住所の要件はない。順調に修了すれば、証言者は2022年4月、伝承者は23年4月に委嘱を受けてデビューする。

 市は12年度に研修事業を始めた。12年度に32人いた証言者の研修への応募は、20年度に初めてゼロとなり、被爆者の負担を減らして証言を始めやすくしようと研修期間の短縮を決めた。併せて、伝承者を育てやすい体制をつくろうと研修内容を見直した。

 市内の区役所や公民館、市のホームページにある応募用紙に必要事項を書き込み、6月15日(必着)までに郵送かファクス、電子メールで申し込む。市平和推進課☎082(242)7831。(小林可奈)

(2021年5月22日朝刊掲載)

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