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平和発信 パキスタン国語で 被爆証言映像 字幕付け公開

 広島市中区のNPO法人ANT―Hiroshimaが、4月10日に84歳で亡くなった岡田恵美子さんたち被爆者6人の証言を収録したビデオにウルドゥー語の字幕を付け、ユーチューブで公開した。核兵器を持つパキスタンの国語で、平和を発信する。

 日本語で昨年制作した15分間の「被爆75年のヒロシマ 祈りとメッセージ」。NGO(非政府組織)ピースボートなどと共同で、昨年8月6日当日に平和記念公園や周辺で撮影した。

 岡田さんは「できるなら(原爆が落とされる前日の)8月5日に帰りたい」と打ち明ける。12歳だった姉は建物疎開作業に出たきり戻らなかった。「命があったからこそ話ができる」と証言活動への意欲を語り、「世界に向かって広島・長崎を継承して」と見る者に訴える。

 同法人の渡部朋子理事長(67)は2005年、対立関係にある同国とインドを岡田さんと一緒に訪れた。新型コロナウイルス禍でも、被爆者の声を届けようと、すでに英語とドイツ語版も作っている。「映像で岡田さんたちの表情を見てこそ、国境や文化を超えて伝わるものがある」と渡部さんは強調する。https://youtu.be/fzL7OA-1mV0(湯浅梨奈)

(2021年5月24日朝刊掲載)

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