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はらみちをさん死去 詩画家 「ピカドンたけやぶ」 92歳

 広島への原爆投下直後に被爆者が避難した逸話を題材にした絵本「ピカドンたけやぶ」で知られる詩画家はらみちを(本名梶原充雄=かじはら・みつお)さんが12日、老衰のため三次市内の病院で死去した。92歳。葬儀は近親者で行った。喪主は弟八朗(はちろう)さん。はらさんの作品を所蔵する、はらみちを美術館(同市君田町)を通じて遺族が26日、明らかにした。

 1928年神戸市生まれ。父の死去に伴い37年、広島県大朝町(現北広島町)に移住。68年に広島市へ移り、創作活動を始めた。東区牛田旭の自宅兼アトリエ近くの竹やぶに多くの被爆者が避難した実話から、83年に「ピカドンたけやぶ」を出版した。

 脳性まひで両手足が不自由になり、母に背負われて学校に通ったことから、母子をテーマにした作品を数多く残した。住民との交流が縁となり、三次市は2006年、同市君田町に「はらみちを美術館」をオープンさせた。14年には東区から同町の障害者支援施設に転居していた。(石川昌義)

(2021年5月27日朝刊掲載)

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