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ネットで碑巡り 米の小学生案内 ピースボランティア有志 コロナ禍で新たな試み

 原爆資料館(広島市中区)の展示解説をする「ヒロシマピースボランティア」の有志が今月下旬、米国の小学生向けにオンライン上で平和記念公園の碑巡りガイドをした。新型コロナウイルスの感染拡大で活動休止が続く中、新たな試みとして協力した。

 東部ニュージャージー州の3校の5年生約90人と保護者たちが参加。事前に収録した動画を画面共有しながら、多くの少年少女が犠牲になったことや「原爆の子の像」の建立経緯などを約10人のボランティアが英語で説明した。

 冒頭で渡辺裕子さん(36)=安佐南区=は、平和記念公園一帯が繁華街だったことに触れ「朝8時15分に何をしますか。原爆はいつも通りの朝、投下されたのです」と語りかけた。約1時間の「碑巡り」終了後、児童からは「原爆の日の行事はあるか」「折り鶴はどの国から届くのか」などの質問が寄せられた。

 ハワイの民間団体が主催する太平洋戦争史を学ぶ講座の一環で、依頼された。企画したジェニファー・サゴン・タエザさんは「ヒロシマの歴史を継承し、広めようというボランティアの情熱に感銘を受けた」と振り返る。渡辺さんは「米国の子どもたちが広島を知るきっかけになったと思う。本来の活動は1年前からできていないが平和の種をまき続けたい」と意気込む。(桑島美帆)

(2021年5月31日朝刊掲載)

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