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核廃絶 広島で討議 国内外の研究者ら 円卓会議始まる

 核兵器保有国を含むアジア太平洋地域の5カ国の研究者や外相経験者たちが被爆地に集い、核兵器廃絶の道筋を探る円卓会議「ひろしまラウンドテーブル」が29日、広島市南区のホテルで始まった。広島県の「国際平和拠点ひろしま構想」の一環で初めて開催。緊張が増す東アジアの核軍縮や非核化をテーマに意見を交わした。30日まで。

 日本、米国、中国、韓国、オーストラリアの元外相や大学教授たち16人が討議した。中国から核軍備に詳しい復旦大(上海市)の沈丁立教授と清華大(北京市)の李彬教授、韓国から韓昇洲(ハンスンジュ)元外相が参加。日本からは川口順子元外相たち8人が出席した。

 被爆地選出の岸田文雄外相(広島1区)が冒頭にスピーチし、「唯一の戦争被爆国として、核兵器使用の悲惨な結末を世界と次世代に伝えるのが使命」と強調。核兵器のない世界へ向け、①核兵器の数②核兵器の役割③核兵器を開発、保有する動機―を減らす外交努力を積み重ねていく決意を示した。

 続いて基調講演した河野洋平元衆院議長は「日本は(米国の)核の傘がいらなくなる努力をするべきだ」と提言。安全保障面で中国や韓国などの近隣諸国と対話を深め、糸口を見いだすよう訴えた。

 円卓会議は、県が2011年に被爆地の役割をまとめた「国際平和拠点ひろしま構想」に主要な取り組みの一つとして盛り込んでいた。冒頭を除いて非公開で議論し、30日夕に川口氏たちが記者会見して会議の成果を説明する。(野崎建一郎)

(2013年7月30日朝刊掲載)

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