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原爆死没者名 丁寧に 広島市、8月5日まで記帳

 広島市は4日、原爆死没者名簿の記帳を始めた。昨年8月6日以降に亡くなったか、死亡が確認された被爆者の名前を書き加え、今年8月6日に平和記念公園(中区)で営む平和記念式典で原爆慰霊碑に納める。

 市がこの日までに新たに把握した死没者は4364人。ともに被爆者で元市職員の池亀和子さん(79)=南区=と中本信子さん(78)=同=が、市役所の一室で進めた。名簿を前に手を合わせて黙とうした後、死没者の名前や死亡年月日、年齢を筆で丁寧に書き込んだ。

 32回目の記帳となる池亀さんは「亡くなられた方々の苦しみや悲しみ、憎しみを共有しながら丁寧に書きたい」と誓った。21回目の中本さんは、1月に発効した核兵器禁止条約に触れて「核兵器は悪ということを多くの人に知ってもらいたい」と願った。

 120冊ある名簿のうち118冊には、昨年8月5日までに死亡が確認された広島の被爆者32万4129人の名前などを載せている。別の1冊は遺族が希望した長崎の被爆者10人の名前、もう1冊には「氏名不詳者多数」と記している。

 市は記帳を8月5日まで受け付ける。市原爆被害対策部調査課☎082(504)2191=平日のみ。(小林可奈)

(2021年6月5日朝刊掲載)

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