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平和条例素案 ほぼ維持 広島市議会 条例案まとめる

 広島市議会の政策立案検討会議は7日、平和推進条例の名称を「広島市平和推進基本条例」とし、前文と全10条を通してほぼ素案を維持する条例案をまとめた。8日に山田春男議長へ報告し、15日開会予定の定例会での成立を目指す。

 市議会棟での会合には、委員9人のうち8人が出席した。素案で「広島市平和の推進に関する条例(仮称)」とした名称は、「市の平和推進の基本となる条例」などの意見を反映して表記を決めた。

 その後の全体の振り返りでは、委員1人が「平和記念式典を厳粛の中で行う」と定めた第6条2項について「市民の思想の自由を保障する憲法に抵触しかねない」と懸念を示した。変更・修正は全員一致の原則に沿い、素案のままとした。

 終了後、会議代表の若林新三市議(市民連合)は「どのような市長でも平和推進の施策を展開する根拠ができた。変更できない部分は多かったが、議論は十分に尽くした」と話した。

 今後は報告を受けた山田議長が近く各派幹事長会議を開き、条例案を伝える。その後は各会派で協議し、提案方法を全会派か賛同会派に限るかなどを決める。

 検討会議は2019年7月に協議を開始。当初は20年度の制定を目指したが、素案に対して公募などで1043件の賛否の市民意見が寄せられ、取りまとめを本年度に先送りしていた。今年4月以降の8回の協議で修正したのは、前文の「被爆75年を迎え」を「被爆75年を過ぎ」とした1点だけだった。(新山創)

(2021年6月8日朝刊掲載)

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