×

ニュース

被爆体験を動画で学ぶ 広島文化学園短大 中国新聞連載を活用

 中国新聞の連載「記憶を受け継ぐ」で取り上げた被爆者の体験談を録画したDVDを活用した授業が、広島文化学園短大(広島市安佐南区)であった。

 杉浦正和教授が2年生対象の教養科目「ひろしま学」で実施。「被爆地ヒロシマの課題」をテーマにした授業で、被爆者の高齢化が進む中、若い世代に継承していく活動の一環として紹介した。

 動画が放映されたのは、8歳の時に爆心地から約1・2キロの東千田町(現中区)で被爆し、母親と死に別れた三好妙子さんと、爆心地から約0・7キロの西新町(同)で被爆した小方澄子さん。54人の学生は、体験を話しながら涙ぐむ三好さんや、右腕の傷痕を見せながら語る小方さんの姿に見入っていた。

 「文章を読むだけより、被爆者の話し方や表情などから原爆の怖さがよく伝わった」と渋谷愛さん(19)。曽祖父が被爆死している山根早稀さん(19)は「憲法改正の動きなど、平和の意識が薄らいでいるのかな、と思う。もっと私たち若い世代が原爆について伝えていかないといけない」と話していた。

 「記憶を受け継ぐ」の動画は、ヒロシマ平和メディアセンターのサイトで見ることができる。(二井理江)

(2013年7月29日朝刊掲載)

年別アーカイブ