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反核 森滝さんに思い聞く 福山の盈進中高生 対話の内容 冊子へ

 盈進中高(福山市千田町)のヒューマンライツ部の生徒が12日、市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」(HANWA)の森滝春子共同代表(82)に反核運動や平和への思いをオンラインで聞き取った。聞き取りの内容は冊子としてまとめるほか、英語への翻訳も検討している。

 被爆証言や核廃絶への活動を記録する同部の活動の一環。聞き取りは5月下旬から始め、この日が3回目。ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」を通じて、部員21人が熱心にメモや質問をした。

 森滝さんは自身が調査したインドやイラクでの劣化ウラン弾などによる被曝(ひばく)の実態を映像で紹介し、核の被害が世界中に広がっている実情を訴えた。生徒からは「核兵器禁止条約に参加していない日本の立場をどう思うか」などの問いが出た。森滝さんは「核廃絶の実現には国家の力が必要。いつになったら目が覚めるのかという思いだ」と語気を強めた。

 生徒からの質問が相次ぎ、当初30分で終える予定が2時間に延びた。森滝さんは「しっかり考えている皆さんの姿が頼もしい」と笑顔を見せた。同部部長の伊藤咲夢(さくら)さん(16)は「核の恐ろしさを継承し、私たちの世代にも核廃絶の輪を広げたい」と思いを新たにした。(猪股修平)

(2021年6月13日朝刊掲載)

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