×

ニュース

被団協「慎重審議を」 平和推進条例 別団体は議決要望

 広島県被団協(坪井直理事長)と県原水禁は14日、平和推進基本条例の制定を目指している広島市議会に対し、15日開会の定例会での制定を見送り、あらためて慎重に審議するよう求める要望書を山田春男議長に提出した。公募で寄せられた市民意見が反映されていないなどと訴えている。

 県被団協は要望書で、平和記念式典を「厳粛の中で行う」と定める第6条2項などが「市民の行動を制約すると受け止められる」と懸念。条例案をまとめた市議会の政策立案検討会議で「市民意見が一顧だにされなかった」とし、「多様な意見を切り捨てず、ともに歩むことが平和の根本ではないか」と訴えている。

 箕牧(みまき)智之理事長代行(79)が、市議会棟の議長公室で山田議長に出した。県原水禁の金子哲夫代表委員(72)も同席し、慎重な審議を求める要望書を渡した。山田議長は「意見を参考に検討を進めたい」と述べた。

 一方、市民団体「静かな8月6日を願う広島市民の会」(東区)などは現在の条例案に賛成の立場で、山田議長に要望書を渡した。検討会議について「意見に真摯(しんし)に向き合って条項を丁寧に検討した」と評価。15日開会の定例会で議決するよう求めた。

 市民の会は昨年9月、平和記念式典の静粛確保を市と市議会に要請した。石川勝也代表(65)は「広島の心を体現する内容に仕上がった」と条例案を評価した。(水川恭輔、新山創)

(2021年6月15日朝刊掲載)

年別アーカイブ