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祝島の反原発一冊に 市民団体前代表の山戸さん、闘いや日常12年分収録

 中国電力の原発計画に反対する山口県上関町祝島島民の運動や日々の暮らしをつづった「祝島日誌 原発予定地を目前にみる島に生きて」を、市民団体「原発いらん!下関の会」が発刊した。運動のリーダーを務めてきた山戸貞夫さん(63)が、会報に連載した約12年分の日記をまとめた。

 連載は1999年7月分からスタート。山戸さんが胃がん治療に専念するため、いったん休止した2011年10月までの12年余りを短く再編集して収録した。

 建設予定地周辺での抗議行動やデモ、裁判の経過などを報告。農漁業の様子や4年に1度の神舞、学校行事も紹介し、闘いと島民の何げない日常の両方を記録している。

 山戸さんは、上関原発を建てさせない祝島島民の会の前代表。町議や旧祝島漁協の組合長も務めた。下関の会が毎月発行していた会報に「祝島通信」を連載していたが、会報は今年4月の213号で廃刊となった。下関の会の沢村和世代表(77)は「連載は島民の目からみた貴重な島の歴史。廃刊を機に、きちんとした形で残したかった」と話す。

 山戸さんは「祝島の人たちは、生活を守るために運動をしている。普通の人たちの普段の暮らしも知ってほしい」と話している。

 A5判、445ページ。2千部を印刷。1500円。下関の会事務局Tel083(223)9061=ファクス兼用。(久保田剛)

(2013年7月29日朝刊掲載)

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