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福山城鉄板を初公開 ふくやま美術館 来月8日から

 福山市は、1945年の福山空襲で焼失した福山城(同市丸之内)天守の北側壁に張られていたとみられる鉄板2枚を同市のふくやま美術館の特別展(7月8~25日)で初公開する。天守の鉄板張りは全国で唯一とされ、焼失して現存しないといわれていたが、ことし3月に市内の民家で見つかった。

 特別展は「城下町・福山の美術」と題し、歴代福山藩主にまつわる絵画など約80点がそろう。来年の福山城の築城400年に向けて機運を盛り上げようと、新たに見つかった鉄板を展示に加えた。

 鉄板は幅10センチ前後、長さ25センチ程度。2枚とも全体がねじ曲がるなどし、表面に高熱の跡がみられる。市は来年、天守の鉄板張りの再現を計画。計画を知った市民から自宅に鉄板があると連絡があり、寄贈された。

 同館の永井明生学芸課次長は「鉄板は、存在しないと思われていた貴重な資料。この機会に実物を見て福山城の歴史に触れてほしい」と呼び掛ける。(佐伯春花)

(2021年6月22日朝刊掲載)

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