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原爆の子の像 スズメ巣立つ 鐘の使用再開

 広島市中区の平和記念公園にある「原爆の子の像」の鐘の中で営巣していたスズメが巣立った。市によると、ひなに餌を与えるために親鳥が頻繁に出入りする様子は2日を最後に見られなくなり、巣立ちを終えたと判断したという。

 市は11日、市安佐動物公園(安佐北区)の鳥類担当者の立ち会いの下で巣を取り除き、鐘の使用を再開した。巣の中にはかえらないままの卵もあったが、市緑政課は「親鳥が全ての卵を温めきれずに断念してしまうのは、自然界ではよくある」と説明している。

 スズメが鐘の中で巣を作っているのは5月上旬に確認された。新型コロナウイルス禍で鐘を鳴らす人が減ったことなどが原因とみられる。市は「温かく見守りたい」として理解と協力を呼び掛ける張り紙を掲げ、担当者が5月下旬から毎日、様子を確かめていた。

(2021年6月22日朝刊掲載)

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