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放影研移転 先送り 新候補地 調査終わらず

 日米両政府が運営する放射線影響研究所(放影研、広島市南区)の移転問題で、放影研は24日、今月中を目指すとしてきた移転先の決定を先送りしたと明らかにした。新たに候補地に加えた広島大霞(かすみ)キャンパス(南区)について、もう一つの候補地の市総合健康センター(中区)との比較に必要な調査が終わっていないのを理由にしている。

 放影研は昨年12月、広島大との共同研究を進めやすい点などを挙げて、移転候補地に霞キャンパスを追加した。市が2016年、費用面から「新設は困難」とする日本政府の意向を踏まえて示したセンターへの入居とどちらにするか、今月中に決める考えだった。

 放影研によると、日米8人の専門家でつくる評議員会を22、23日、非公開のビデオ会議で開催。霞キャンパスに移る場合の概算費用や特殊設備の設置場所などで事務レベルの整理が途上と報告し、検討を続けることに理解を得たという。

 放影研の金岡里充副事務局長は「評議員に判断してもらうための情報をそろえて、できるだけ早く移転先をまとめたい」と語った。材料が集まれば、来年6月の評議員会の前に決定する可能性もあるとしている。

 今回の評議員会では、任期満了となる丹羽太貫理事長の再任も決めた。任期は23年の評議員会までの2年。(水川恭輔)

(2021年6月25日朝刊掲載)

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