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スポーツと平和に焦点 広島で高田静雄写真展

 被爆を体験したオリンピアンで、戦後に写真家となった高田静雄さん(1909~63年)の作品やゆかりの資料計約100点を集めた特別展「高田静雄展 平和への道」(中国新聞社など主催)が26日、広島市西区の泉美術館で始まった。

 広島市生まれの高田さんは、砲丸投げの選手として36年のベルリン五輪に出場。45年8月6日、爆心地から約680メートルの職場で被爆した。戦後は後遺症に苦しみながら、趣味だった写真に本格的に取り組んだ。

 広島で高田さんに焦点を絞った展示会が開かれるのは初めて。会場には、高田さんの選手時代のユニホームや、スポーツに打ち込む学生の写真などが並ぶ。試合直前の選手の後ろ姿やトレーニング風景を捉えた写真からは、緊張や疾走感が伝わる。平和記念公園や自宅周辺の町並みにもレンズを向けている。

 自営業山本耕さん(45)=廿日市市=は「競技者だった視点が生きている」と作品に見入っていた。8月29日まで。月曜休館(8月9日は開館)。(福田彩乃)

(2021年6月27日朝刊掲載)

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