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被爆ピアノ 巡回演奏会 生協ひろしま 来春まで県内24ヵ所

 生協ひろしま(廿日市市)は、創立50周年の記念事業として、被爆ピアノの巡回コンサートを始めた。被爆ピアノの修復を手掛ける調律師矢川光則さん(69)=広島市安佐南区=の協力を得て、来年3月までに広島県内24カ所を巡り、平和の音色を聴衆に届ける。

 26日に安芸区民文化センターでスタート。みよしまちづくりセンター(三次市)で27日にあったコンサートには約70人が集まった。地元の男声合唱団の歌声に、被爆ピアノで伴奏した同市のピアノ講師重頭恵美子さん(45)は「ピアノが刻んだ歴史と対話するように、心を込めて鍵盤に向き合った」と話していた。

 コンサートで使ったピアノは1932年製のアップライト型。爆心地から1・8キロの千田町(中区)の民家で被爆し、爆風で突き刺さったガラス片の跡などが残る。矢川さんは「原爆や戦争が遠い昔の出来事ではないということを考えるきっかけにしてほしい」と聴衆に呼び掛けた。

 生協ひろしまは1971年に広島県婦人生協として設立。原爆関連の「碑めぐりガイド」やマツダスタジアム(南区)でのプロ野球の「ピースナイター」などに取り組んできた。コンサートは入場無料で組合員以外も参加できる。☎0120(500)935。(石川昌義)

(2021年6月29日朝刊掲載)

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