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震災復興へ「平和の鐘」響け 宮城の被災校にレプリカ 広島市商高が寄贈

 広島市東区の市立広島商高は、毎年8月6日の平和記念式典で原爆死没者の遺族代表たちが突く平和の鐘のレプリカを、東日本大震災で被災した宮城県の石巻市立女子商高に贈る。「焦土から立ち上がった被爆地の象徴が、震災復興の希望となれば」との思いを込めた。8月1日、生徒代表の2人が届ける。

 レプリカは5分の2の大きさで直径17センチ、高さ30センチ、重さ8キロ。制作は同じ富山県高岡市のメーカーに依頼した。「平和」の文字に替え、松井一実市長の筆で「希望」と記した。

 沿岸部にある石巻市立女子商高は2011年3月11日、津波で校舎が浸水。休校日で自宅などにいた生徒5人が亡くなった。今は、約5キロ離れた高台にある石巻市立女子高の校庭に建てた仮設校舎を使っている。

 市立広島商高は原爆で南観音町(現西区)にあった前身の市立造船工業学校の校舎が全焼。1965年に現在地に校舎が建つまで翠町(現南区)や仁保町丹那(同)などへ移転を重ねた歴史を持つ。

 石巻市を訪れるのは生徒代表の2年向地佐矢郁(さやか)さん(16)と1年北倉愛海さん(15)。クラブ活動で原爆問題研究部に所属する向地さんは「私たちの歩みは重なる部分がある。少しでも力になりたい」、商業研究部の北倉さんは「現地はまだ復興途上。震災を忘れず支援を続けたい」と話している。(田中美千子)

(2013年7月30日朝刊掲載)

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