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松重さんが撮影 被爆当日の写真 本社ロビーに展示コーナー

 中国新聞社は30日、元カメラマンの松重美人さん(1913~2005年)が被爆当日に市内で市民の惨状を撮影した写真の展示コーナーを中国新聞ビル(広島市中区)1階ロビーに開設した。3月にネガフィルムが市重要有形文化財に指定されたのを受けて企画した。

 中国新聞社写真部員で中国軍管区司令部報道班員でもあった松重さんは1945年8月6日、爆心地から南東約2・2キロの御幸橋西詰めで被爆直後の負傷者を撮影。窓枠が吹き飛んだ理髪店兼自宅なども含め、5カットを収めた。

 展示コーナーでは、全5点の写真を解説文とともに並べ、それぞれの撮影場所を示した地図も添えた。市の文化財に指定された意義やネガの保存、継承への課題を報じた本紙の特集記事もパネルで紹介している。ネガフィルムは展示していない。

 展示を見た安佐南区の樋上憲昭さん(71)は「心が痛む。原爆の悲惨さを語り継がなければ」と話していた。平日の午前9時半~午後6時。(阪本茉莉)

(2021年7月1日朝刊掲載)

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