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被爆者13万人下回る 手帳所持者 平均83・94歳 3月末

 被爆者健康手帳を持つ被爆者が今年3月末時点で12万7755人となり、初めて13万人を下回ったことが1日、厚生労働省のまとめで分かった。平均年齢は0・63歳上がり過去最高の83・94歳。この10年は年間1万人弱のペースで減り続けてピーク時の3分の1となっており、被爆の記憶をどう継承していくかが課題となる。

 厚労省が広島、長崎両市と各都道府県が管理する手帳所持者をまとめた。所持者数は、昨年3月末の13万6682人から1年間で8927人減った。最も多かった1981年3月末(37万2264人)の34・3%と約3分の1の水準となった。このうち国外に住む在外被爆者は2785人で102人減った。

 広島市が管理する手帳の所持者は4万2191人で昨年に比べ2645人減り、平均年齢は83・48歳(前年同期比0・66歳上昇)。同市を除く広島県管理分は1万5616人で1343人減って平均年齢は85・60歳(同0・55歳上昇)だった。

 全国の各種手当の受給者数は、一定の病気にかかると支給される健康管理手当(月額3万4970円)が10万7032人で昨年比7276人減。原爆症と認定された人が受ける医療特別手当(同14万2170円)は6978人で45人減った。

 医療特別手当を巡っては、厚労省から認定対象外とされた被爆者が起こした訴訟で勝訴するケースが全国で相次いでおり、被爆者団体は認定基準の抜本的な見直しを求めている。(樋口浩二)

(2021年7月2日朝刊掲載)

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