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被爆遺構 24日に説明会 広島市 要望踏まえ方針転換

 サッカースタジアム建設予定地の中央公園広場(広島市中区)の発掘調査で見つかった旧陸軍の輸送部隊「中国軍管区輜重(しちょう)兵補充隊」施設の被爆遺構を巡り、市は1日、市民向けの現地説明会を24日に開くと発表した。これまでは開催しないとしていたが、市民団体の相次ぐ要望などを踏まえて方針転換した。

 現地説明会は24日午前10時からと午前11時からの2回で、それぞれ30分。定員は各回30人とし、参加無料、雨天中止となる。輜重隊の厩舎(きゅうしゃ)や軍馬の水飲み場、兵舎の基礎など、出土した遺構を当日まで残し、見学できるようにする。

 市は当初、6月中に現地説明会を開く検討をしていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に見送った。その後、県原水禁などから開催要望を受けた際には、調査スケジュールへの影響を理由に現地説明会をせず、近く遺構の撤去を始める考えを示していた。

 市文化振興課は「遺構はもともと記録だけを残す予定だったが、現物を切り取って保存することを含めた検討に入っている。その過程で遺構の取り外しが遅くなり、開催を決めた」と説明した。発掘調査を来年3月に終える予定には、変更はないとしている。

 また、市が現地説明会の代わりに計画していた報告会は25日午前10時半から開く。会場は合人社ウェンディひと・まちプラザ(中区)で定員50人。無料。

 希望者は「現地説明会希望」「報告会希望」のいずれかか、両方の場合は優先順を書き、往復はがきで応募する。名前、住所、連絡先、現地説明会希望の場合は希望時間を記す。送付先は〒730―8586広島市中区国泰寺町1の6の34、市文化振興課文化財担当。15日必着で、定員を超えた場合は抽選となる。市文化財担当☎082(504)2501=平日のみ。(水川恭輔)

(2021年7月2日朝刊掲載)

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