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ケロイドの詳細な検診票発見 原医研 被爆者21人分

 広島大原爆放射線医科学研究所(原医研、広島市南区)は29日、被爆者21人のケロイドの詳細な検診結果票を発見したと発表した。日本学術研究会議による1947年6月の調査で、未発表とみられる。原医研は「原爆災害の調査史の一端を示す貴重な資料」として、8月13日まで医学部医学資料館(同)で一部を公開する。

 「原子爆弾熱傷者調査表」と題した縦33センチ、横20センチの紙で、1人当たり4ページ。名前や住所、被爆した場所に加え、ケロイドのできた時期や部位、色や大きさ、治療歴など計88項目を記している。原爆の後障害の把握を目的に、絵も交えて症状を詳しく説明している。

 学術研究会議は同時期、被爆者の症状や治癒日数、ケロイドの有無など計5項目について257人を調べている。原医研によると、今回見つかったのは症状が重かった人の追加調査とみられる。昨年12月、資料室を整理中に見つけ、解析を進めていた。

 原医研の佐藤裕哉助教は「爆心地からの距離や遮蔽(しゃへい)状態によってケロイドの状態は変わるのかなど、被爆の実態解明に役立てたい」としている。(新谷枝里子)

(2013年7月30日朝刊掲載)

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