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証言や署名活動 岡田さんしのぶ 広島で市民ら50人が会

 4月に84歳で急逝した被爆者の岡田恵美子さんをしのぶ会が4日、広島市中区のエソール広島であった。親交があった市民たち約50人が参加。被爆体験の証言を続けた岡田さんの生涯を振り返り、冥福を祈った。

 参加者全員で黙とうした後、6人が代表でスピーチした。米国の学生たちへの証言を何度も依頼してきた元広島平和文化センター理事長のスティーブン・リーパーさん(73)は「証言の際、聞く人の目を見て、その人に合った話をしていた。感銘を受け、涙を流す学生もいた」と惜しんだ。

 市の被爆体験伝承者として岡田さんの体験を伝えている原紺充さん(57)=安佐南区=は、核兵器廃絶を訴える署名集めを生前にしていたと紹介。「(急逝が)信じられず涙が出た。でも『泣いとる場合じゃないよ、行動を』と言っているように思う」と力を込めた。

 しのぶ会は、伝承者たちでつくる被爆体験を継承する会が企画。会場には、岡田さんの証言活動の写真が展示された。

(2021年7月5日朝刊掲載)

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