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被爆遺構 保存・活用を サカスタ用地 広島市に市民団体

 サッカースタジアム建設予定地である中央公園広場(広島市中区)の発掘調査で見つかった旧陸軍の輸送部隊「中国軍管区輜重(しちょう)兵補充隊」施設の被爆遺構を巡り、市民団体が6日、遺構の一部保存や活用を市に要望した。

 「広島平和記念公園被爆遺構の保存を促進する会」世話人代表の多賀俊介さん(71)=西区=が市役所で要望書を提出した。要望書は、被爆当時の遺構への市民の関心は高いと強調。①建設予定地で見学説明会を開く②遺構の一部を保存展示してサッカーファンや選手、市民たちに伝える工夫をする―の2点を求めた。

 市は24日、新型コロナウイルスの感染拡大を理由にいったんは見送った市民向けの現地説明会を開く。多賀さんは、出土した建物の石畳などについて「象徴的なものは廃棄せず保存してほしい。説明会は1度ではなく、大事なタイミングで開いてほしい」と訴えた。

 市文化振興課の平田太・文化財担当課長は、被爆遺構について「別の場所で一部を保存、展示できないか検討している」と、これまでと同様の見解を示した。説明会については、被爆遺構の撤去を終えた後、江戸期の地層を調べる際に開く方向とした。(新山創)

(2021年7月7日朝刊掲載)

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