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核軍縮「議論に着手」 円卓会議終了 広島知事は成果強調

 核兵器保有国を含むアジア太平洋地域5カ国の研究者や外相経験者が、東アジアの核軍縮・非核化について議論した円卓会議「ひろしまラウンドテーブル」が30日、2日間の日程を終えた。広島県の湯崎英彦知事は「東アジアが核抑止力に依存する中(多国間の関係者で)核兵器の役割を減らす議論に着手できた」と成果を強調した。

 日本、米国、中国、韓国、オーストラリアの元外相や大学教授たち16人が、広島市南区のホテルで非公開で討議。終了後、11人が記者会見に応じた。

 東京大大学院の藤原帰一教授(国際政治)や米プリンストン大のジョン・アイケンベリー教授(同)たちによると、主な論点は①核兵器に頼らずに軍事力全般で地域の安定を確保する「拡大抑止」②東アジア各国の信頼醸成―の2点だった。具体的な発言内容は「活発な議論を促進するため」などとして明らかにしなかった。

 会議には、沖縄県・尖閣諸島をめぐって緊張が続く中国から核軍備の専門家2人が出席した。復旦大(上海市)の沈丁立教授は「日中両国が対話を進めるべきだ」と指摘。清華大(北京市)の李彬教授は「東アジアの問題解決には新たな英知が要る。それは核兵器でない」との見解を示した。

 円卓会議は、県が2011年に被爆地の果たすべき役割をまとめた「国際平和拠点ひろしま構想」に掲げる取り組みの一つで、今回が初開催。県は来年度以降も継続する意向でいる。(野崎建一郎)

(2013年7月31日朝刊掲載)

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